2019年映画ベスト10(キネマ旬報シアター編)
キネマ旬報シアター様にはいつも感謝しています。
こんにちは、中嶋です。
2019年、令和最初の年もいよいよ暮れようとしていますが、皆様如何お過ごしでしょうか。
私は、写真館所属のカメラマンとして撮影したり、店舗業務や写真整理の毎日です。
そんな中、映画ファンでもある私は本業以外で頭を悩ます事がありまして、それが
今年の映画ベスト10の選定なのです。
私が所属している東京映画友の会では、日本映画と洋画それぞれでベストを作ります。だから毎年洋画は洋画で、邦画は邦画で悩む事になる。
と言うのも、洋画は毎年何かしら佳作が公開されるのでベスト候補を挙げて行くのは苦労しません。ただ、好きな作品が多すぎてどれをベストに入れるか。それが滅茶苦茶悩むところなんですね。
邦画は違いまして、こちらはまずベスト候補を挙げて行くのが大変なのです。
理由は単純で、ベストに入れるに足ると思える映画が少ないからですね。(個人の感想です)
例えば今年公開の『工作 黒金星と呼ばれた男』なんて韓国映画の名作だと思いますが、実写邦画であの映画に匹敵する作品が一体どれだけあるのか?って話ですよ。
アニメは頑張っているのですが、もう実写の惨状は見るに堪えません。
さて、そんな中でキネマ旬報シアターです。
この映画館では、毎年スタッフやお客さんでベストを決めているんですね。
キネマ旬報シアターで見た映画ではなくても良いから、旧作をDVDや配信で観たのでもいいから、今年観た映画のベストを決めようと言うもの。
素晴らしい試みですよね。大手シネコンではまずやらない事です。
佳作を沢山上映してくれて、しかも250円のドリンクバー始め沢山のメニューがある柏キネマ旬報シアター。悪い点が見つかりませんよ。
アンケートに書き続けている要望も結構叶えて
くれていますし。
ここのベスト10は、新旧の縛りもないので、当然映画の国籍も問いません。
だから私も、普段は分けますが今回は洋画邦画をごちゃ混ぜにしてベスト10を作成し、キネマ旬報シアターさんにお納めしました。
中嶋が選んだ、2019年公開映画ベスト10は以下の通りです。
1.ジュリアン
2.天気の子
3.工作 黒金星と呼ばれた男
4.翔んで埼玉
5.洗骨
6.バイス
7.グリーン・ブック
8.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
9.海獣の子供
10.ジョーカー
一先ずこちらが現時点でのベスト10となります。
1位は『ジュリアン』と言う映画で、1月に他ならぬ柏キネマ旬報シアターで観た作品です。
この映画、好きな作品かどうかと聞かれると、楽しくはないが緊張感が全く途切れない最恐映画として凄いと思っています。
私は緊張感のある映画も好きでして、特に映画館と言う特殊な環境でその映画に当たると、やはり自宅鑑賞等に比べると段違いに集中出来るので、より深く没入出来るんですよね。ジュリアンは正にそうした環境下で観るべき作品でした。兎に角終始怖い。今年色々ホラー映画を観たんですが、最後まで『ジュリアン』を超えた"ホラー"作品には出会えませんでした。
やはり一番怖いのは人間なんですよね。
2位は『天気の子』です。と言う事は邦画第1位になる訳ですが、まぁ妥当であろうと思います。興行成績は勿論ですが、前作『君の名は。』で世界に名前を轟かせた新海監督が、その成功に胡座をかかずに冒険した点を評価しました。2007年頃に新海監督の作品に出会っていた私としては、ようやく時代が新海誠に追いついたのかと感慨深く思っています。
3位は『工作 黒金星と呼ばれた男』です。実在した韓国のスパイの話で、この映画も緊張感が凄い。スパイとして北朝鮮に行き来するので、いつバレるのかヒヤヒヤものなんですよね。
本作の偉大な点は、ドンパチシーンが無いって所にあると勝手に思っています。
スパイの話なので、銃撃戦の場面があった場合、そのスパイは既に任務を失敗している事になるんです。バレてる訳ですから。
銃撃戦みたいなアクションシーンが無くともしっかりと緊張感を保ちエンタメとして成立させた製作陣に敬意を表する次第です。いや本当に素晴らしかった。
4位にはようやく実写邦画が来ました。『翔んで埼玉』です。
魔夜峰央先生が昔描いていた未完の漫画を映画化するってんで、ちょっと不安だったんですよね。日本映画、特に実写は事務所だのコンプラだのに縛られており、また目を覆いたくなるほど予算不足に喘いでいます。そんな状態で、あの毒のあるジョークだらけな漫画を映画に出来るとは思えなかった。
しかし、製作会社が東映だったお陰で見事吹っ切れた快作(怪作)に仕上がりました。
XJAPAN のファンとしてはYOSHIKIが出てきた事が兎に角嬉しかった(そっちかい)。
5位は『洗骨』です。ガレッジセールのゴリさんが監督した長編映画で、予想の遥か上を行く佳作でした。話の展開もスッキリしているし、ギャグも不自然なく挿入されていて、またそのギャグが笑える。独特な洗骨と言う風習を軸にして、家族と言うもの、生と死と言うもの、そうしたテーマを上手くミックス出来ていたように思えました。
6位以降は洋画の名作が続いておりまして、もはや邦画の入る余地はありませんでした。何とか食い込んでくれたのは、『海獣の子供』でした。今年はアニメ作品が豊作でして、特に海獣は洗骨と順位を入れ替えても良いくらいの出来でしたが、とにかく世界観や作画、録音、そして音楽どれもが凄い。今年の「映画館で観るべき映画」第1位です。
あと、米津玄師さんの主題歌『海の幽霊』。これがまた凄い。映画に負けない世界観を作り上げていて、この余りに個性の強い映画を観た後で全く世界観が壊れていかない名主題歌です。
日本映画だと、タイアップの為か本編とかけ離れたエンディングが余りに多いんですけど、流石に本作ではそんな事にはならなかった。
米津さんが元々原作ファンだった事も大きいですね。
長々と書いてしまいましたが、ひとまず今年の暫定的なベスト10は以上となります。また後日邦画洋画でそれぞれベスト10を選出していきます。
では!