中嶋雑記帳

同人誌サークル中嶋商事主宰、中嶋條治のブログです。

X JAPANとの出会い

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あくまでもいちファンの雑記です。

 

たまにリアルやネット上でも聞かれる話なんですが、「何でX JAPAN」を好きになったの?と言われるんです。私の見た目のせいか、「眼鏡をかけた優等生的印象」を相手に持たれるんですよね。そうなると、私の外見からとてもX JAPANには行き着かないようなんです。実際私も中2までXには、というかロックには興味がありませんでした。

何故私は今X JAPANと言うロックバンドが世界一好きなのか。

正直、なんとなく好きになっていったとしか言えないのです。

勿論、出会うきっかけと好きになった瞬間はありますが、それを全部人に話すと長くなります。なので適当にお茶を濁してきた。でも、まじまじと振り返ってみた事はなかったなと最近気付きました。

2020年8月現在、新型コロナウイルスは未だ猛威を奮っています。だから今年は仕方ないですが、X JAPANは2018年9月から一切活動をしておりません。アルバムに至っては制作発表された2009年から全然発売されず、11年の歳月が過ぎて行きました。

何故こんなバンドを好きでいられるのか。

自分の人生を変えたバンドについて、27歳を目前にした今改めて振り返ってみようかなと、そう思っております。

 

1.邂逅

今年で27歳になる私が、XJAPANと言う伝説的ロックバンドに出会ったのは、2007年の秋頃の事でした。当時中学2年生です。

 

私は元々漫画家集団CLAMPの大ファンでした。幼稚園の頃にCLAMP原作の傑作アニメ『カードキャプターさくら』を見ていた影響で、他のCLAMP作品も小中学生時代から読み込んでいたんですね。

そんな中、CLAMP原作のアニメや映画、ドラマCDの主題歌を集めた『クランパザール』と言うベストアルバムがある事を知り、誕生日プレゼントに購入してもらいました。CLAMP原作の映像作品には名曲が多い。坂本真綾の『GIFT』や『プラチナ』、田村直美の『ゆずれない願い』等、アニソン史に輝く名曲が数多く使われているんです。

その中に、XJAPANの名バラード『Forever Love』が収録されていました。思えばこの『Forever Love』が収録されてなければ今の私は無かったかもしれません。

何故XJAPANの代表作と言える本作が収録されていたのかと言うと、『X』と言うCLAMPの大人気問題作(言い方)の劇場版主題歌に採用されていたのです。当時私はXJAPANを知らなかったので、取り敢えず聴いてみました。

そしたら、長い。

8分以上ある曲で、しかもテンポがゆっくりだし、メロディもそんなに好きではない…

このように当時は感じたのです。しかし、それは私の感性が未だXJAPANのバラードを理解出来るまで磨かれていないのが原因でした。

 

2ヶ月ほど経ってから、私はろくに聞かなかった『Forever Love』の歌詞カードを読んでいました。あれだけ長い曲だが、結局何を書いているのだろうと気になっていたんです。

曲の最後の大サビ部分を読んでいくと…

 

Forever Love

Forever Dream

溢れる涙の中

輝く季節が 永遠に変わるまで

Forever Love

 

「ラストで「輝く季節が永遠に変わるまで」、ときて、題名である「Forever Love」か……

何だ、終わり方カッコいいじゃんか」

この感覚があったか無かったかで、私の人生は確実に変わっていたのではないかと思います。

歌詞の展開がまず気に入ったんですね。

当時私は映画ファンの階段を登り始めていた頃で、作品のストーリー展開というものに興味関心が一番出ていた時期だったからこその発想だったのかもしれません。

この感覚を持って、改めて聴き直してみる。

すると、長いと思っていただけの8分間があっという間に過ぎ去りました。

Forever Love』と言う曲を好きになった瞬間でした。

 

 

2.XJAPAN攻撃再開2008 I.V.〜 破滅に向かって〜 破壊の夜

 

年が明けて2008年。

Forever Love』は好きになった私ですが、その頃はまだXJAPAN自体を好きになった訳ではありませんでした。特にCDも探さなかったし、やはり当時は「クランパザール」収録曲を聴いていたかったんです。

そんな中、我が家に届いたWOWOWマガジンの表紙にXJAPANの文字がデカデカと出ているのを見つけて私は飛びつきました。

私はXJAPANが解散していた事も、hideが夭折していた事も何も知らずにいたんです。

WOWOWマガジンの内容は、XJAPANが10年の時を経て、この3月に再結成ライブを敢行すると言うものでした。数ページにわたって過去のXJAPANについての軌跡等と言った特殊記事が組まれており、XJAPANと言うバンドがあまりに巨大な影響力を持つロックバンドだったのだと痛感させられました。

ここで、私は気になった点があります。『Forever Love』はどうやってライブで演奏するんだろう?と言う点でした。

 

私は14年間「映画少年」で来ていました。映画こそ最高の芸術であり、音楽は映画の彩でしかない。そう思っていて、ラジオも音楽もろくに聴いていませんでした。CLAMP作品の主題歌など例外はありましたが、あくまで音楽は私の中で2番手3番手の娯楽であり、1番の娯楽は映画などの映像作品になっていました。

だから今までろくにライブ映像も観ていない。

その為音楽に対して余りにも無知でした。

 

Forever Love』はYOSHIKIのピアノが全編に流れています。しかし曲の中にはドラムの音がしっかり出てくる。YOSHIKIはドラム担当でもあったと言うのは流石に当時知っていました。だからこそ、YOSHIKIはピアノかドラムどちらを演奏するのだろうかと気になったのです。

今思えばアホらしい疑問ですが、音楽に疎いXJAPANのファンですらない当時は真剣な疑問でした。(勿論、YOSHIKIはピアノを演奏して、ドラムの音は音源に使われたものがバックで流れてくる様になっています)

「ライブを観てみたい」

そう思うのに時間はかかりませんでした。

しかし、WOWOWで完全生中継される「破壊の夜」の日は、私は家に居られませんでした。塾ではなく、当時所属していた弓道部の練習の為、自主的に市内運動公園の弓道場で練習をする日になっていたのです。

しかし行く時間の前に何曲かは聴けるだろう。そう思ってTVを点けて待機していたら、ライブが全く始まりません。

後に悪い意味で伝説となったのですが、この破壊の夜は開演が2時間半も押したのです。

そんな訳だから弓道の練習に間に合う訳もなく、一旦練習に行き、9時を回って帰宅しました。TVを点けると見事ライブの最中でした。曲は何と再結成のきっかけとなった『I.V』です。自分の運の良さを痛感しながら見ていくと、『紅』になりました。言わずと知れたX JAPANの代表作。

しかし、私はこの時『紅』すら知らずにライブを観ていたのです。お陰で「何かみんな盛り上がってるけど、この人達の代表曲なの?」と言った印象でしかありませんでした。この曲は後々毎日のように聴く曲になっていくんですが、当時は想像すらしていません。

それからしばらく見ていて、『ART OF LIFE』と言う曲になりました。

30分もある壮大な曲で、YOSHIKIの半生を基に作られた音楽史に残る名曲…なのですが、当時の私は「なんだかやたらギターソロの長い」曲にしか思えなかったのです。何て奴だ。

しかも曲の途中でYOSHIKIが倒れ、そのまま「破壊の夜」は終わってしまったんです。

私のロックの原体験はこの様な形で幕を閉じた。正直、何が何だか分からない。

古参のX JAPANファンの方にこの話をしたら悲鳴を上げるでしょう。『紅』も知らない完全初心者が初めて観たX JAPANのライブが、破壊の夜の生中継だったと言うのは最悪です。私もそう思うのですから。

 

しかし、このX JAPAN…というよりロックの原体験は、結局私の脳裏にいつまでも消えない爪痕を残し、見事数ヶ月後の私にXのアルバムを買わせるに至るのでありました。

 

続きます。