中嶋雑記帳

同人誌サークル中嶋商事主宰、中嶋條治のブログです。

コミティア145サークル参加のお知らせ

f:id:nakajima2019:20230901104458j:image

(『私立日野出学園0』表紙。匣みかん氏作)

9月3日、東京ビッグサイトにて。

 

 

こんにちは、中嶋です。

ブログが中々更新できておりませんでしたが、今回ばかりはやらねばと思い書いています。

 

大学4年時から、私にはある目標がありました。

それは、同人誌即売会にサークル参加する事です。

しかし、私の意思の低さから、今までにサークル参加は出来ていませんでした。本も碌に書かずに日々の仕事をこなすだけの生活でした。

例外として、2019年の冬コミに友人の犬井作氏のサークルに写真集『カメラ初心者の写真シゴト』を委託して頂き、売り子としても参加しましたが、それくらい。

 

そうしているうちにコロナ禍となり、参加したくてもイベント自体ありませんでした。

 

ただ、2021年辺りにTwitterで知り合った作家から派生して、高校卒業以降書いていなかった『日野出学園』シリーズを書き始め、翌年にはとある物書きの方々のコミュニティに入るまでになりました。

そうした中にいると、私も創作の意欲が湧き上がってきまして、2023年以降はエブリスタにも投稿をするようになり、既成の日野出学園シリーズ2話分以外にも5作品を書き上げていました。ちなみにYouTube動画投稿本数も増えました。

 

今回のコミティア145のサークル参加は、そうした創作モチベの向上ゆえにできたと思っています。

 

f:id:nakajima2019:20230901111822j:image

(私立日野出学園のキャラクター、松本泰司)

 

今回のコミティアには、Amazonで発売している短編集『冬コミに10歳年下の妹を引率しましたレポ』と、『私立日野出学園0』の2作品を持参します。

日野出学園0と言うのは、文字通り第零話的内容で、私が高校の文芸同好会時代に書いた『私立日野出学園 第零話』に加筆修正したものや、主人公大杉正義の過去の話を収めています。その2本だと弱いので、『ハンバーガーこわい』と言う新作も入りました。

 

f:id:nakajima2019:20230901113827j:image

(日野出学園シリーズの主人公、大杉正義社会科教諭)

 

日野出学園シリーズのキャラクターデザインや表紙イラストは、匣みかん氏に担当して頂きました。

 

9月3日・コミティア145は、東京ビッグサイト東4〜6ホールにて行われます。

 

立ち読みやフリーペーパーだけでも大歓迎です。

同人誌即売会に興味がおありな方、中嶋の本を買ってやっても良いと思った方、いらっしゃいましたら是非お越し下さい!

f:id:nakajima2019:20230901114149j:image

(日野出学園シリーズの実質的主人公、森本夕)

 

 

 

小山田いく同窓会本に参加した件

f:id:nakajima2019:20230309224137j:image

 

すくらっぷ・ブック』等の作品を描いていた漫画家、小山田いく先生の同窓会本第2弾『GREEN AGE GRAFFITI 』に参加させて頂きました。いわゆる合同で書く同人誌です。


合同誌参加すら初めてでしたが、こうして自分の文章が本にまとまるのは嬉しいです。特に今回は私が『すくらっぷ・ブック』を好きだと聞いた主催の方が、合同誌の参加を勧めて下さいました。

 

f:id:nakajima2019:20230309224257j:image


『七年越しに閉じた一冊』と言うタイトルのコラムです。

すくらっぷ・ブック』の思い出を書き連ねているだけで、他の作品と比べ浮いていますが、私の25年分の思いを込めたつもりです。


小山田先生は2016年にこの世を去りました。当時私は就職先の入社前研修で全く余裕がなく、社会人として安定してからも小山田先生の故郷に聖地巡礼などもできておりませんでした。
今回の合同誌参加で、ようやく小山田先生にお礼とお別れを言えたような、そんな気が致します。

 

まんだらけを通じた通販等もやるそうなので、宜しければお手に取って頂いて、かつて小山田いくと言う漫画家がいた事を思い出してもらえれば幸甚です。

 

ありがとうございました。

 

 

 

小山田いく先生が私に与えた影響

f:id:nakajima2019:20230207091438j:image

 

私には高校時代に書いていて、一昨年装いを新たに書き直している『私立日野出(ひのいずる)学園』と言う作品がある。

今まで見てきた映画やアニメ、小説から影響を受けてきた作品で、黒澤明ゴジラ、XJAPANなどのネタも入っていたりする。

 

主人公は「大杉正義」と言う教師なのだが、今になって『すくらっぷ・ブック』の正木先生のフルネームが正木義明だったのに気付いた。

 

大杉と言うのは、無政府主義者大杉栄から取っていた。私のような無学無思想の輩も、高校1年の時は上っ面ではあるが左派にかぶれていたのである。
だが「正義(まさよし)」にした理由は分からない。適当だった。

 

CLAMPの『CLAMP学園探偵団』が日野出学園の元ネタなのだが、そこと『ツバサ』に出てきた「斉藤正義」の顔が何故か頭にあり、そこから拝借したのだと思う。

大杉のモデルは複数人いる。高校一年の6月に初めて文芸同好会の会誌に書いたのだが、最初のうちは京極夏彦京極堂みたいならキャラにしていた。

しかし、兼部していた高校の演劇部顧問のキャラや、大学説明会で出会った映画監督の成田裕介氏などの影響で、大杉正義のキャラは変わって行く。生徒思いの破戒教師として確立されていくのである。
ただ、根底にあったのは『すくらっぷ・ブック』の正木先生だったのかもしれない。

 

実際、無意識のうちに正木義明の名前の文字が大杉の名前に入り込んでいる。そんなつもりは無かったのに、である。

ちなみに、新たに書き始めた『私立日野出学園』の第1話『突入せよ!美術準備室事件』は、すくらっぷ・ブック第1話とCLAMP学園探偵団の『暗くなるまで待って』を元ネタにしている。

 

だから私の小説書きとしての原点には、常にCLAMP黒澤明ゴジラと並んで小山田いく先生が居たのである。

改めてしかのこうへいさんに小山田いく同窓会誌にお誘い頂けた事に感謝したい。

 

 

その『私立日野出学園シリーズ』は小説家になろう等で書いているので、もし興味が出た方がいらしたら、下記URLから第1話に飛べるので、是非お読みいただけると幸いである。

https://ncode.syosetu.com/n2934hi/1/

 

 

 

 

 

桜桃忌2022

 

 

f:id:nakajima2019:20220619151141j:image

 

今年も桜桃忌の季節を迎えました。

最近は梅雨寒で気温も下がり、ぐずついた天気が多かったと思います。しかし今年の桜桃忌は日曜日に当たり、快晴でした。太宰治と、生家津島家の墓がある禅林寺には大勢の参拝者が訪れておりました。

 

---------------------

 

こんにちは、中嶋でございます。

本日は6月19日。太宰治の誕生日にして、山崎富江と入水自殺した玉川上水から太宰・山崎両名の遺体が上がった日です。

 

芥川龍之介の命日は河童忌、森鴎外の命日は鴎外忌と呼ばれていますが、太宰治の場合は誕生日でありながら遺体発見日でもあった事から、敢えてこの日を太宰の法要日にしています。

 

「桜桃忌」の由来は晩年の代表短編『桜桃』から取っています。

 

f:id:nakajima2019:20220619171854j:image

私は千葉県民なので、太宰が眠る禅林寺のある三鷹駅まで1時間以上かかります。

そこまでの道中、スマホで動画を見るのも良いのですが、今日はせっかくなので新潮文庫ヴィヨンの妻』を旅のお供に持参しました。この本には表題作は勿論、絶筆となった『家庭の幸福』、そして『桜桃』が入っています。

 

改めて読むと、やはり家庭の幸福も桜桃も陰鬱な気分にさせられますが、素晴らしい文章でした。高校時代に「太宰中毒」と自他共に認める太宰文学依存症だった私からすると、あの文体は改めて体に合うんだなと再認識しました。

 

ちなみに、上記2本を読んだところで『親友交歓』と言う短編を読んだのですが、この本は太宰文学中期の面影が残っていて、ユーモアに溢れた短編小説です。もはやコントと言って良い状況で、改めて太宰の筆力の凄さを感じさせられました。

 

そんなこんなで、いつの間にか三鷹駅

f:id:nakajima2019:20220619173128j:image

時間は午前10時40分。禅林寺にまっすぐ行く前に、まずはここに行こうと思いました。

f:id:nakajima2019:20220619173229j:image

三鷹市美術ギャラリー太宰治関連の催しがあるのです。

 

こちらは三鷹駅から中央通りに向かってすぐの駅前商業施設CORAL の5階にあるギャラリーで、以前にも太宰治の関連イベントをやっていました。

 

f:id:nakajima2019:20220619173226j:image

中に入ると入り口で太宰治生誕セールが。

ドリップコーヒーを購入しました(^ ^)


f:id:nakajima2019:20220619173608j:image

ギャラリーでは、かつて三鷹にあった太宰家の執筆部屋の復元施設が出来ていました。『ヴィヨンの妻』の直筆原稿などもあり、最早見慣れてしまった太宰治の筆跡に思わず見入ってしまいました。

芥川龍之介の関連イベントもあるようで、いつか行きたいですね。

 

ギャラリーを出るといよいよ禅林寺に向かいます。

 

途中、墓前へのお供えものとして、

f:id:nakajima2019:20220619174018j:image

まずは日本酒
f:id:nakajima2019:20220619174016j:image

そして仏花

f:id:nakajima2019:20220619174013j:image

何より桜桃忌にちなんださくらんf:id:nakajima2019:20220619174010j:image

そしてウイスキーと煙草を現地調達しました。

 

『親友交歓』を読むと、9割フィクションだと思っていてもウイスキーを備えてあげたい気持ちになりますよね(笑)

 

冥土にいる太宰治先生には、肝臓や肺の心配は不要な事と思います。気にせず好きなだけ酒やタバコを嗜んで頂きたい所です。

 

f:id:nakajima2019:20220619174443j:image

三鷹駅からひたすら一本道を歩いて行った先を右折して、ようやく禅林寺に到着します。
f:id:nakajima2019:20220619174440j:image

季節柄紫陽花が美しく咲き誇っていて、桜桃忌のお参りに来た太宰ファン達の目を楽しませてくれていました。


f:id:nakajima2019:20220619174446j:image

禅林寺の墓地には太宰治森鴎外の二大文豪が眠っています。訪れるファンは大勢いる為、墓地の入り口にこうした看板があります。


f:id:nakajima2019:20220619174449j:image

歩いて行くと、午前11時半と早めであるにも関わらず、既に沢山のお供え物が!

 

そして若い女性が凄く多い。

20代、もしかしたら10代もいたのでは無いでしょうか。


f:id:nakajima2019:20220619174437j:image

やはり『文豪ストレイドッグス』の影響で太宰治を知ってくれた人もいたのかもしれません。

 

ウマ娘にしろ、その世界に触れる取っ掛かりになるアニメやゲームが出来ると若い血が入ってくれるので界隈が盛り上がりますね。


f:id:nakajima2019:20220619151141j:image

私もお供えをさせていただきました。

 

その後は、毎回の事ながら太宰治文学サロンへ。

f:id:nakajima2019:20220619175410j:image

内装がリニューアルされていたのでビックリしました。


f:id:nakajima2019:20220619175413j:image

こちらは太宰が心中した玉川上水
f:id:nakajima2019:20220619175415j:image

今の玉川上水は水の量が少なく、溺死したくても出来そうにありません。しかも木々が鬱蒼と生い茂り、草も胸ぐらいの高さまであります。間違いなく、ここで入水自殺をしようなんて思う輩は金輪際出てこないと思います。

 

そうして三鷹太宰治ゆかりの地を見て行き、14時くらいにもう一度禅林寺に行きました。

f:id:nakajima2019:20220619175823j:image
f:id:nakajima2019:20220619175821j:image

たった2時間程度で更にお供え物が増えていました。

 

更に、斜向かいにある森鴎外先生のお墓にも沢山のお供えが。

桜桃忌のお参りに来た人が、言い方は悪いですがついでに鴎外先生のお墓参りもしているのです。

f:id:nakajima2019:20220619180013j:image

 

「何だ、私は太宰のついでか」と、草葉の陰でムスッと思っているのでは、などと下賎な想像をしてしまいます。むしろ太宰の方が気が気でなかったかもしれないですね。

 

ちなみに鴎外先生の命日である鴎外忌は7月9日です。

その時にも、「ついでに」太宰治のお墓にお供えがなされているのかもしれませんね。

 

 

この桜桃忌で、私は勝手に師匠と仰ぐ太宰治先生にある報告をしようと思っていました。

私は高校時代に文芸同好会に所属していて、小説もどきやエッセイ執筆の真似事をしていました。その頃太宰治にハマったのですが、一時期は文体が太宰色に染まるほど影響を受けました。

今月、私はプリントオンデマンド出版という形ではありますが、商業本を出す事になりました。

Amazon、または書店の注文で購入して頂けるようになります。

作品内容自体に太宰色はありませんが、太宰治を好きで、「自分も遙か及ばずながら文章を書いていきたい」と思ったからこそ出版まで漕ぎ着けたのだと思います。

 

なので本日は、太宰治先生に本の出版をご報告すると言う目的もありました。

本の出来は全く未熟です。

だからこそ、今後も精進して行く決意を固めて三鷹を後にしました。

 

終わり

---------------------

 

今月末にAmazonで発売開始になる本のURLです。

 

冬コミに10歳年下の妹を引率しましたレポ (∞books(ムゲンブックス) - デザインエッグ社) https://amzn.asia/d/7mbgJQ7

 

是非宜しくお願いします!

 

大人と酒

f:id:nakajima2019:20210223213815j:image

銀河英雄伝説』には数多くの金言がある。
今観ていた第78話『春の嵐』では、
「大人になると言うことは、自分の酒量を弁えると言うことさ」と、ヤン提督が言っていた。
駅のホームで嘔吐したり駅員に暴力を振うサラリーマンに言うべき至言だ。駅前で酔って騒ぐ大学生と何ら変わりない。

 

f:id:nakajima2019:20210223213832j:image

 

駅に貼られたこれらのポスターを見る度に私は憂国の念に駆られる。酒のせいにして暴力を振るう下衆の多い事。酒を否定はしないが、会社の飲み会なんて言う糞みたいな風習のある本邦こそ自制した酒の飲み方をみんなで実践すべきなのに、現実はこのポスターを貼らざるを得ない惨状な訳で…

「偉そうに言いやがって。それじゃてめえはどうなんだ」って話だが、私は酒に滅法弱く、ビール2杯で顔が真っ赤になり飲めなくなる。あと頭に来る体質なのか、酔い潰れるまで飲む前に頭痛に耐えられなくなる。お陰で、駅のホームで吐瀉物を撒き駅員さんの手を煩わせた…と言うような経験も無い。

お陰で酒の弱さを先輩共にからかわれることもあった。しかし恥とは思わない。何しろビール2杯で泥酔の一歩手前に行くと言うことは、一杯で大満足できる訳だ。それも毎日は飲みたくないから、経済的である。

1週か2週に一度、美味くて大好きなヱビスまたはプレモルマスターズドリームもしくはレーベンブロイハイネケンを飲む程度だ。毎日節約の為に発泡酒を飲むなんて身体にも心にも悪い事をしない(出来ない)で済むのは本当に幸運だと思っている。

身体に悪い事をしているのに、味まで妥協するなど馬鹿馬鹿しい。割りに合わない。だから私は死んでも不味い発泡酒は飲まないのだ。

そのかわり炭酸飲料を週四くらいで飲んでるから、結局私も身体に悪い習慣がある事に変わりはない。
あと、角瓶やジョニ黒も1瓶あるから、そいつをロックで頂いたり薄めのウイスキーコークにして楽しむこともある。酒は楽しく程々に飲む物だ。嫌々飲んでたら精神的にも良くない。正に最悪である。

 

偉そうに書き連ねたが、勿論、私も酒で失敗した事がある。大学時代だった。

 

中学時代の部活仲間と飲んでいて、旧友に会えた喜びで羽目を外し飲み過ぎた。酔い過ぎると天地がグルグル回ると聞いた事があるが、事実だ。本当に天井と床が『2001年宇宙の旅』の宇宙船みたいに回っていた。
酔い潰れて寝てしまい、朝になってみんなに起こされトイレに向かった。天井と床が動いているから真っ直ぐ歩けない。何とかトイレに着いたが、萎縮して吐けない。そのうちにみんなも帰ってしまい、私は1人二日酔いの苦しみと戦いながら千鳥足で帰宅した。家で吐いたら嘘みたいにスッキリしちゃった。

 

以降、私の体は「またこうなってはかなわん」と思っているのか、酒を受け付ける量が減った。
だが、それで良かったのだ。酒の失敗は学生時代なら多少許されるかもしれない。まだ自分の酒量を弁えていないからだ。しかし社会人、それも30を過ぎて酒でやらかす人は「見た目は大人、中身は学生」の逆コナン君である。

現在はコロナ禍の影響で、飲食店の閉店が目立っている。

酔い潰れた大人モドキに出くわす機会が減ったのは有り難いが、その代償はいささか大き過ぎである。

 

日本映画界の癌は取り除けるのか?

f:id:nakajima2019:20220406133929j:image

 

こんにちは、中嶋です。

今回は、日本映画界で起きているセクハラやパワハラについて、遂に声明文を上げた映画監督有志の方へ送ったメールについて記させていただきます。

映画監督、プロデューサー、ベテラン俳優…

これらの強い立場の人間が、弱い立場の新人キャストやスタッフに暴行、暴言、更には性的被害を与えた事が立て続けに発覚した事で、是枝氏を始め様々な監督が声明を出しました。

この監督達も業界の悪しき風習を黙認していただろうと思いますが、こうして声を上げてくれる事で、日本映画界の風通しが少しでも良くなれば、才能が集まり、いつかは作品の品質も上がると思います。

映画ファンとして、日本映画界には期待したいと思っています。ぜひ一過性のブームにせず頑張って頂きたい所です。

 

以下、メール本文です。

 

件名 声明に賛同します

映画監督有志の会の皆様。

初めまして。中嶋條治と申します。
現在は写真館に勤務しており、カメラマンとして写真や動画の撮影、編集等を行なっております。

日々のご活動、誠にお疲れ様です。一人の映画ファンとして、貴団体の声明は希望の光に思えてなりません。

この度の声明に賛同し、メールを送らせていただきました。

私は3歳の頃から映画が大好きで、『初代ゴジラ』や『隠し砦の三悪人』、『メリーポピンズ』など素晴らしき映画の世界に、未就学児の頃からどっぷりと浸かっておりました。
中学3年になると、黒澤明の『七人の侍』やキューブリックの『2001年宇宙の旅』に感激し、本格的に映画ファンの道を歩んでいきました。

だからこそ、現在の日本映画界の現状を憂いております。
あまりにも問題が放置され過ぎてきたのではないか? と感じています。

映画監督という立場の人間が過剰な暴力や暴言、ましてや性的暴力を働くと言うのは、その監督の作品のファンであればあるほど悲しいニュースです。(ベテランの俳優やプロデューサーなどもやっているでしょうが)映画監督という、エンドロールの一番最後にクレジットされる立場の人間がそのような行為に及ぶことは、観客を裏切ったのは勿論、エンドロールに載っている全ての人間を裏切っている事になると思います。

映画とは、最高の芸術であると私は勝手に思っております。まさに総合芸術という言葉の通り、様々な部署の人間が共に一つの映画を作り上げており、すべての部署を束ねる映画監督という立場は尊敬に値します。
だからこそ、昨今のハラスメント問題には憤慨しています。芸術家・文化人などと言う肩書き以前に、他者に敬意を払うのは当然のことであります。共に仕事している人間の尊厳を、その立場や権力を以て踏み躙る様なことが許されて良いはずがありません。
むしろそうした人間は、映画の中では悪役として主役に打倒されるべき存在ではなかったかと思えてなりません。私からすれば、『七人の侍』の野武士よりも悪辣であると思います。

 

作品では「平和」「多様性」「弱きを助け強気を挫く」「差別反対」などと言っているくせに、現場でハラスメントが起きていては話になりません。スタッフもキャストも、広い意味で言えば「労働者」だと思います。労働者の権利を守れずに、何が平和か。何が多様性か。
「日本映画はつまらない」と言われていますが、作品の出来不出来以前の問題が落第点では、今後も偶に生まれた名作で「日本映画もたまにはやるじゃん」と思われる程度の世界になっていきます。
ただでさえ、給料の安さや長時間労働が指摘される業界です。
以前、映画制作を専攻していた学生時代、ある技師の方が飲み会の席で
「(日本映画界は)夢を与える仕事なのに、夢が一個も無いんだよ」
と言っていました。今でもその言葉は私の脳裏に張り付いています。

このままでは、「金も名誉も得られない。しかも現場はパワハラ、セクハラで溢れている」と、若手の映画業界離れがますます促進していくことは想像に難くありません。
そうなると、面白くない映画が量産されます。エンドユーザーたる我々映画ファンにとって、業界の衰退は最も辛い事の一つです。
「誰もが安心して働ける」
そうした極々当たり前な仕事環境作りができて、初めて若い層を映画業界に呼び込めるのではないかと思います。この機会に業界に蔓延る様々な悪しき風習を駆逐していければ風通しの良い業界になるのではないかと、素人の私は夢想します。


映画界の方に意見を述べるのは初めてでしたので、思わず様々な不満や意見を思いの儘に書いてしまいました。非礼な乱文、失礼いたしました。平にご容赦ください。

最後に、今回被害に遭った女性は勿論、今まで様々なハラスメントに遭い、結果泣き寝入りせざるを得なかった多くの業界の方々が救われることを切に願います。既に業界を去った方は無理でも、まだ映画界に残っている方であれば、彼ら彼女らのケアをしっかりと行って頂きたく思います。くれぐれも、被害者であるにも関わらず干されるなどと言う事の無いよう、業界全体をしっかり見張っていただきたいと切に願います。

また、今回の声明に関わらず、今後業界の悪しき風習やセクハラ・パワハラモラハラ等の各種ハラスメント、過度な罵詈雑言等への批判を表明した映画人への不当な扱いが無い事を望みます。

今、日本映画界は多くの執刀医の手によって癌の大手術を行おうとしているような気が致します。この大手術を成功に導くには、更に多くの人々の力が必要です。私はあくまでも一映画ファンであり、手術で言う、執刀医の汗を拭く役割にすらなれないと思います。精々SNSで声を上げ拡散したり、こうしたメールを送信する事くらいしかできません。

だからこそ、この声明には心から賛同・応援します。

どうか、私の大好きな映画の世界を守ってください。

 

中嶋條治

 

 

以上です。

果たして手術は成功するのでしょうか?

 

鬼滅の刃遊郭編、早く最終回を観なければ…

f:id:nakajima2019:20220214003249j:image

鬼滅の刃遊郭編はつい先程最終回(第11話)を迎えた。


実は私はしばらく観れてなかったので、最終回をリアルタイムで観ることを放棄した。今はNetflixで第9話を観ている最中である。

f:id:nakajima2019:20220214003415j:image

みんな言ってる事なのだが、作画がとにかく素晴らしい。これは普通に劇場公開映画に匹敵…いや、それを越えてくるレベルだ。間違いなく『無限列車編』よりも迫力がある。ただ『無限〜』よりずっとグロテスクなので、仮に本作を劇場公開しても前作より客は入らなかっただろう。だから遊郭編は連続テレビ放送で良かったと思う。


鬼滅の刃』は毎週劇場版クオリティをファンから絶賛されるが、3社のみの製作委員会が何よりもクオリティを優先しているからこそ出来る事だ。同じフジテレビ公開のワンピースなどは立場が無いんじゃないか?

鬼滅の刃』は『無限列車編』の歴史的メガヒットのおかげで、クオリティファーストが許される数少ないコンテンツになれたと思う。

 

カネならばコナンもここ数年毎年50億以上の興収を生み出してくれる超優等生だが、こちらはむしろ東宝のメインエンジンであると言うプライドが驕りに変わりつつある。それが近年鼻につく。製作委員会の船頭の多さも良くない。ヒットさせる為に、クオリティより女性客への奉仕が目立つ内容に感じる。ただコナンはそれでファンを楽しませているし、実際その分儲かっている。ヒットしてファンにも愛されている辺り、他の「クソつまらなくてヒットもしない大多数の邦画」より遥かに価値がある。


今後の鬼滅の刃に関しては一切心配していない。現代の深夜帯にしては十分視聴率も取れているから、今後もクオリティファーストで作品制作をしていくに違いない。この品質至上主義が収益に直結しさえすれば、アニメは勿論実写畑でも高品質な作品が沢山世に出てくれるのではと思う。